JR東労組 | 東日本旅客鉄道労働組合 EAST JAPAN RAILWAY WORKER'S UNION

新生JR東労組運動宣言

JR東労組は、2月10日に開催した第46回定期中央委員会において、「新生JR東労組運動宣言」を確認しました。その全文が次の通りです。

宣言の各条文をクリックしていただくと、解説をご覧になることができます。

 1987年3月3日、私たちは、東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)を結成した。国鉄改革の理念である「雇用の確保」「鉄道の復権」「新たな労使関係の構築」を実現するため、組合員の団結を強化し、たたかい抜いてきた。

 結成33年。その道程は組織破壊とのたたかいの連続であった。その多くは、一部指導部の奢りと自己保身で組合員を引き回した結果である。

 中央本部は、「18春闘」の大敗北から、その根拠を掘り下げ、組合員の気持ちを受け止めることができなかったことを真摯に反省し、第46回定期中央委員会において、あらためて「新生JR東労組運動宣言」を提起し、組合員一人ひとりの意思としていくことを確認した。

全組合員のみなさん!

JR東労組運動の再生をかけて起ち上がろう!

 

1.私たちは、時代認識を踏まえ、雇用の確保はもとより、すべてのハラスメント行為を許さず、賃金、労働条件、安全の向上のために職場現実を正しくつかみ、組合員とともに運動をつくり出します

 

1.私たちは、取り巻く情勢を見定め、会社施策に対して職場現実を踏まえ、真正面から建設的な議論を行い、経営協議会や団体交渉などを通じて健全な労使関係をつくり出します

 

1.私たちは、JR総連とJR総連に結集するすべての単組とともに、鉄道・バスなどの地域交通と安心して暮らせる社会を守るため、広く社会的な連帯をつくり出します

 

1.私たちは、全地本の新たな総団結を実現し、JR東労組の旗の下に組合員を拡大するため、不正や虚偽、あらゆる組織破壊策動を許さず、真実を組合員に伝えることを通じて信頼回復に努めます

 

2020年2月10日

東日本旅客鉄道労働組合

 

 

1.私たちは、時代認識を踏まえ、雇用の確保はもとより、すべてのハラスメント行為を許さず、賃金、労働条件、安全の向上のために職場現実を正しくつかみ、組合員とともに運動をつくり出します

 18春闘で大きく誤りを犯した原因の一つは、時代の流れを読んでいなかったということです。生産性向上に対する企業の問題意識は高まり、これまでの機械化、システム化はもとより、さらに効率的に業務を進めていくための人材活用策が練られています。時代の進化は受け止めていかなければなりませんが、労働者を直撃する様々な反動とたたかわなければなりません。

 私たちは、組合員がどのような状況に置かれているのかを常にチェックしていなければなりません。職場では、将来を担う人材を選別するために不当労働行為とパワハラが融合した事態が起きているという報告を受けています。本人が問題意識を持ち、仲間と事態を共有し、支部・地本とも現実をつかみ、労使議論のチャンネルを確定してたたかいをつくっています。しかし、いまだに不当な手法を持ってしか「人材育成」ができない現場管理者がいることにこの会社の限界性を感じます。また、労働組合としての基本線である雇用の確保、賃金、労働条件の向上、安全確立も、どれも組合員の命と生活に直結するものです。

 これらのたたかいは、一部の役員のたたかいに縮小するのではなく、広く組合員と議論を行い、「たたかい方」を学び、組合員の問題意識も高めながら運動を強化していきます。

 何度も引き合いに出す言葉ですが「職場は騒げばいい。騒げば地本・本部がたたかってくれる。第三者機関を活用すると言えば組合員は組織化できる」という言葉の中に組合員を強化・育成するという視点はまったくありません。残念ながらこのような運動をつくってきたが故に、上から提起された言葉だけで組合員を組織化し、それに従わない者は排除するという構造ができあがってしまったといえます。

 これらを克服するためにも、時代の流れを正しく読めるリーダーをつくること、そして厳しい時代にたたかえる組合員を強化するために、徹底して職場における運動づくりにこだわることが一番重要なことです。

 

1.私たちは、取り巻く情勢を見定め、会社施策に対して職場現実を踏まえ、真正面から建設的な議論を行い、経営協議会や団体交渉などを通じて健全な労使関係をつくり出します

 18春闘前後の会社施策に対するたたかい方は、原則論を対置し、とにかくそれを押し通すという傾向がありました。同時に、東京のたたかいに他の地本を合わせるという運動スタイルもあり、職場現実からどんどんかけ離れていってしまったといえます。かつて4万人体制反対を掲げたことがありましたが、十分な採用すらままならない現実のなかで、どのように要員を確保するのかという具体案もなく、会社に人を増やせと迫っていました。

 確かに、会社施策も十分に練り上げられているのかという問題もあります。しかし、それを逆手に会社の責任を追及し、施策をやりにくくするとか、先延ばしするというのは本末転倒です。なぜならば、要員不足が蔓延している中で、何も手を打たなければ組合員の労働強化しか生み出さないからです。これでは組合員の信頼を得られません。

 今後、経団連が示しているように、会社施策は効率化施策ばかりでなく社員の活用の幅を広げ、いわゆる「労働の付加価値」を上げるための仕組みづくりが打ち出されてくるのは明らかです。幅広く取り巻く状況を見ていかなければ、井の中の蛙になり、社会からも取り残されていくことになります。

 施策に向き合うことで大事なことは、施策の根拠をはっきりさせ、職場の変化に対して組合員が納得感を持つことです。それぞれの職場で、自分が行っている一つひとつの仕事の意義を明確にし、変えていくべきこと、絶対に変えてはいけないことの区別ができるリーダーと組合員をつくることを意識しなければなりません。

 私たちは昨年の第38回定期大会で、「スト権に頼らない、組合員と歩むJR東労組をつくろう」というスローガンを掲げました。労働者として当然の権利としてあるスト権に頼らないということは、真摯な議論により問題解決を図ることを最優先するということです。「職場の力」がなくてはできません。

 したがって、要求の合理的な根拠を明確にして問題提起を繰り返し、建設的な議論をつくることで組合員の要求を実現させていくとともに、労働協約に基づいて健全な労使関係の確立を求めていくこととします。

 

1.私たちは、JR総連とJR総連に結集するすべての単組とともに、鉄道・バスなどの地域交通と安心して暮らせる社会を守るため、広く社会的な連帯をつくり出します

 JR総連とJR総連に結集する仲間とともに地域の問題や雇用、労働条件、平和の課題など、組合員・家族が安心して暮らせる制度づくりを求めて、広く組織内外に連帯をつくり出すということです。

 昨年日本を襲った台風15号、19号などで、JR東労組でも多くの組合員が被災しました。JR総連はいち早く支援を表明し、加盟各単組にカンパの要請を行っていただくという心温まる取り組みを行っていただきました。そして、JR貨物労組とJR東労組の被災者にお見舞い金をいただきましたので、今後組合員にお渡ししていきたいと思います。

 さらにJR総連の仲間たちは、現在の組織問題に対しても、JR東労組と固く連帯して組織破壊を絶対に許さない決意を明らかにしていただいております。またICLS(国際労働者交流センター)に加盟する韓国、台湾、フィリピン、タイ、オーストラリア、ニュージーランドなどをはじめとした13ヶ国からも、組合員を戻すために奮闘を祈ると熱いメッセージも寄せられています。強い連帯を実感します。

JR総連に結集する仲間たちはそれぞれに、単組ごとに課題を抱えJR総連と連携してたたかいをつくり出しています。一例を述べれば、JR北海道労組は経営基盤確立の問題、JR東海労は休日出勤や勤務明示問題、JR西労は安全問題や会社の隠蔽体質とのたたかい、JR貨物労組は評価制度導入における社員間の過度な競争や鉄道ネットワーク維持、青函トンネル共用走行の問題、システム労や鉄研労は長時間勤務や高度プロフェッショナル制度導入の問題、聚楽労組はホテルリニューアル後の労働条件向上や評価制度の問題などです。

 私たちは組織問題を克服し、一刻も早くJR総連の戦線に復帰しなければなりません。昨年の政策フォーラムにはシステム労と鉄研労の仲間に参加をいただき、多くの参考になる意見をいただきました。これまでの連帯に応える意味も含めて、各単組とともにJR東労組としてできることを行い、地域の独特の課題や、安全、安心を大前提に働きやすい、暮らしやすい職場や社会を目指して力を尽くしていくこととします。

 

1.私たちは、全地本の新たな総団結を実現し、JR東労組の旗の下に組合員を拡大するため、不正や虚偽、あらゆる組織破壊策動を許さず、真実を組合員に伝える事を通じて信頼回復に努めます

 四つ目の課題は、新たに12地本の総団結を実現してたたかいをつくること、そして最大の課題である組織拡大を実現することです。そのために、これまで組合員を振り回してきた根源である不正や虚偽、あらゆる組織破壊策動を許さないためにたたかい、組合員にしっかりと真実を伝え続けなければなりません。

 先日、東京地本の会計監査を行いました。かなりの額の使途不明金、目的外使用が明らかになりました。

 一例を述べます。「連帯活動基金」という会計の使用目的は、組合の非常事態、組合員の救援活動、組合の福祉連帯活動です。東京地本は、「台風15号、19号に伴う災害対策金および本部方針による組織存亡をかけたたたかいの残り一年間の組織拡大・組織強化のため」と使途目的を明確にして、執行委員会で支出を確認しました。支出した5000万円のうち東京地本分として2700万円を割り当て、他を各支部、運車分会に割り当てました。ところがこの2700万円を、東京地本事務所でエルダー雇用をしていた3名の退職金として支払っていたことが会計帳簿で明らかになりました。それぞれ約2〜3年の雇用期間にもかかわらず、一人あたり約830万円〜1070万円の退職金です。エルダー雇用で5年間全うして受け取った功労金の額と比べてみてください。雲泥の差です。通常の計算方式からしても3名の退職金の額は法外といえます。

 このような資金の使い方はあり得ませんし、許されません。さらに組合員の気持ちを離れさせることにもつながってしまいます。このような団結破壊の根源的な要因を取り除くためにも監査などのチェック機能を強化し、逐次組合員の皆さんに明らかにしていきます。

 また中央本部で作成した新聞や討議資料が組合員に配られていないという事実も明らかになっています。新聞は組合費で購読しますが、今回、分裂を画策した水戸・東京・八王子の各地本に所属する組合員は、新聞購読の権利さえ奪われ、意図的に真実を伝えられなかったということです。一刻も早くこのような状態から組合員を解放していかなければなりません。

 中央本部は、「JR東労組東京地本を守る会」「組合員のためのJR東労組を守る八王子の会」の仲間とともに、そして水戸・東京・八王子地本の職場で歯を食いしばりながらJR東労組の旗を守り抜いてくれている仲間とともにたたかっていきます。

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