第335回 東京過労死を考える家族の会代表 中原のり子氏
今回の政経フォーラムには「東京過労死を考える家族の会」代表の中原のり子氏にお越しいただき、働き方改革関連法案が強行採決されようとしている中で、高度プロフェッショナル制度の問題点や労災認定を勝ちとった経過などについてお話をいただきました。
現在、過労死についての労災請求は、2400件以上申請されていますが、認定は4割程度にとどまり、半分以上の人は泣き寝入りをしている状況であること、亡くなっても自己責任にしてしまう社会であることへの怒りについて話されました。
夫の過労自殺を乗り越え、どのような死に方をしたのかではなく、どのような生き方をしたのかを訴え続けている根拠は「労災認定」「個人訴訟における最高裁での異例の和解」を勝ちとる過程の中で、一人で抱え込まず、みんなに話をして多くの方々から支援をしてもらったからであること、そして「遺族の沈黙は、次の被害を呼ぶ」と力強く訴えていました。
過重労働は、人が倒れるまでは問題になりにくく、人が倒れなくなる社会を目指すためにも今こそ、労働基準法と憲法の原点に立ち返って議論すべきであると締めくくりました。
詳細は「セミナー」に掲載します。