JR東労組 | 東日本旅客鉄道労働組合 EAST JAPAN RAILWAY WORKER'S UNION

第323回 周防 正行氏 (2017年6月21日)

刑事司法制度について思うこと 

 今回の政経フォーラムは、映画監督の周防正行氏にお越しいただきました。講演形式は今回が初めてということでしたが、お父様が国鉄マンだったというご縁もあって引き受けてくださいました。

 周防氏は、6月15日に成立してしまった「共謀罪」への懸念と、映画「それでもボクはやっていない」を制作するための取材によって分かった司法制度の問題点について、お話いただきました。

 すでに日本は国連の13にもおよぶテロ関連条約を批准し、テロ対策に必要な国内法は整備されています。政府がテロ対策のため、東京オリンピックまでに「共謀罪」を成立させなければならないと言い国民を欺いていること、成立したことによって監視社会がつくられ、不自由な社会が新たなテロリストを生み出す危険性があることを強く懸念すると述べました。

 司法制度の問題点については、自白するまで拘留する人質司法であること、検察が有罪立証に必要な証拠しか開示しないこと、密室での調書が優先されて裁判の判決が決まる調書裁判であることの三点を指摘し、解決に向けた法制審議会での議論内容をお話いただきました。

 そして、人が人を裁くことはできないが、共同体を維持するためには誰かが裁かなければならないことから、人を裁くことには謙虚になって、事実を一つひとつ積み重ねてえん罪をつくらないように立証していかなければならないと最後に訴えました。     

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