JR東労組 | 東日本旅客鉄道労働組合 EAST JAPAN RAILWAY WORKER'S UNION

「沖縄県民と連帯する6・19東京シンポジウム」の記事が、掲載されました!

soshiki NO.4

パネルディスカッション3 2016年6月19日(日)、アットビジネスセンター東京駅八重洲通りにて、「沖縄県民大会に連帯する6・19東京シンポジウム~米軍属による女性遺棄事件断固糾弾!戦争の拠点となる基地はいらない!オールジャパンのたたかいを創りだそう~」を開催しました。開催にあたり、沖縄タイムス東京支社にご協力をいただき、JR東労組、JR東日本労連、JR貨物労組青年部から180名の仲間が結集しました。

 シンポジウムでは、宮城栄作氏(沖縄タイムス東京支社 報道部長)と石山永一郎氏(共同通信社 編集委員)によるパネルディスカッションを行い、「沖縄の歴史と現状」「日米地位協定」についてお話を頂きました。沖縄で開催されている県民大会に連帯し、基地の撤去と日米地位協定の改訂を目指し、継続して本土からたたかいを創り出していくことを確認しました。

◇基調報告 青年部・福島事務長

基調提起・福島 この間、青年部として沖縄の地に立ち、「沖縄平和シンポジウム」を開催し、『平和政策』を練り上げ、①日米同盟よりも、真の平和を求めて労働者の国内外の連帯を強化すること②新基地・新兵器産業で若者が血を流すよりも観光・鉄道・物流を中心とする平和産業による雇用創出を目指すことの2点を打ち出しました。
 しかし、平和政策の中では、日米地位協定には触れていません。今日をきっかけに日米地位協定に踏み込んでいく必要があります。そして、日米地位協定は、沖縄の問題だけではないことを見抜かなければなりません。横須賀で米兵が起こした事件では、賠償金について、加害者の米兵が支払うことが出来ず、米政府が4割、日本政府が残りの6割を税金で支払っている現実があります。日米地位協定は、沖縄だけでなく、全国の問題でもあります。
 また、沖縄と「連帯」するとはどのようなことなのかを考えなければなりません。ただ現地に立つだけではなく、それぞれが置かれている場においてたたかうことも連帯ではないか。私たちが沖縄の民意を無視している状況を創り出していることを自覚しなければなりません。だからこそ、青年部員と膝をつき合わせた議論を通じてオールジャパンのたたかいを創り出していきましょう。

パネルディスカッション(要旨)

1.宮城報道部長(沖縄タイムス 東京支社)

(1)米兵の犯罪と米軍基地について
 米軍の犯罪は、これまでに5,900件が発生し、そのうち重刑は、574件である。更にその中で強姦は131件におよぶ。1955年にゆみこちゃん事件が発生し、沖縄の人々は、95年の事件と同様に今回も思い起こされた。沖縄県民は、「事件に対しての怒りと同時に被害者を守れなかった」という気持ちに苛まれる。県民感情としては、基地の過剰負担によって発生していることへの怒りは限界を超えている。
 1960年代には、4割の基地負担であったが、現在では、7割の負担になってしまった。政治的な都合で、沖縄に基地が造られている。地理的な点で沖縄が良いというのは、間違いであり、軍事的には、別の所の方が良いが、アメリカの都合によって沖縄に基地が存在しているのである。また、各県に基地を配置すると住民から反対意見が出るから沖縄に押しつけおくことを選択している。本土が言うと基地が縮小するが、沖縄の声は、無視さ、差別されていると感じている。これが、構造的差別と言われる所以である。

(2)海兵隊の実態
 海兵隊がいなくなると尖閣諸島が取られるのではないかという意見があるが、尖閣には人がいないことや尖閣を守るとしても、空軍と海軍が必要であり、海兵隊だけでは何も出来ないのである。また、現在、沖縄には約18,000名の海兵隊がいる言われているが、 約9,000名をグアムへ移行させ、約2,000名程度の実戦部隊が残るとなっており、日本を守るための装備になっていないのが現状である。
 また、海兵隊の主な任務は、災害復旧・人道支援である。オーストラリア、フィリピンなどと共に行動が出来るようにするためには、沖縄に基地が必要なのである。現在では、中国の軍隊とも共に行動も行っている。日本は、アメリカに守って貰おうとしているかもしれないが、アメリカは日本を守ろうとはしていない。
 だからこそ真実を見抜き、安全・安心して暮らせる社会を創らなければならない。主権者は、我々である。主権者同士で助け合うことが必要である。同じ主権者として、沖縄がこのままでよいのか?と考えていただきたい。

 

2.石山編集委員(共同通信社)

(1)日米地位協定の問題点

①第1次裁判権
 米軍は、公務中であると日本の裁判では裁くことは出来ない。そして、公務中か公務外かの判断は、アメリカが決めることである。そのため、公務外であったとしても公務中として判断されるのが現状である。

②賠償の取り組み
 公務中の事故の賠償は、25%を日本政府が支払わなければならない。横田基地などの騒音関係においては、25%以上の賠償を実際に支払っていることもある。
 事件・事故を起こしたのが公務外である場合、米軍では、保証の低い保険で30万ドル(3,000万円)の保証のものに入ることが義務付けられており、賠償金について支払えない場合は、日本政府が支払うことになっている。

③治外法権
 沖縄国際大学に米軍飛行機が墜落したが、規制がはられ、情報は全く入らなかった。当時の宜野湾市長でさえ、情報を得ることが出来なかった。日米地位協定によって沖縄で発生している事を沖縄の人々が真実を知ることが出来なくなっている。

(2)他国においての地位協定とは

①アフガニスタンでは、2014年に米軍が撤退し、地位協定を結ぶが、民間軍事会社の裁判権は、アフガニスタン政府にある。
②イラクでは、国内の米軍基地から第3国を攻撃出来ないこと(沖縄では、イラク戦争に沖縄の基地から戦地へ出撃されている)が決められている。
③イタリアでは、米軍基地の管理権をイタリアが持っている。飛行機を飛ばすにもイタリアに全ての許可を取らなくてはならないことになっている。1995年までに地位協定を見直している。また、米兵が事故や事件を起こしたときには、イタリア警察が基地内に入り、捜査できることになっている。
④フィリピンでは、1992年に憲法を改正し、全てのアメリカ基地を撤退させている。
 60年間で一字一句変わっていないのは、日米地位協定だけであり、日米地位協定だけが特殊な協定になっているのを知らなくてはならない。そして、日米地位協定の改訂には、我々がどうあるべきかの明確な対案をだしていくことが重要である。

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