反弾圧のたたかい

第45回公判報告

なんと、4度目となる「公判手続きの更新」をおこないました!
問題あり!「事件」からの3年間で、6人の裁判官が交替する!

 2006年4月21日、午前10時より「えん罪・JR浦和電車区事件」第45回公判が開催されました。
今回の公判は、品川新裁判官(右陪席=裁判長の右手側の裁判官)に対する「公判手続きの更新」を行いました。
前回第44回公判において、小池新裁判長に対する「公判手続きの更新」が終了したばかりでしたが、第44回公判終了後に、あらたに右陪席裁判官の交替が告げられたため、新裁判官に真実を訴えるべく第45・46回の公判で「公判手続きの更新」を行います。

たび重なる裁判官の交替の意味は?

 これまでもお知らせしてきたように、裁判官の交替があった場合には、新しい裁判官にこれまでの公判の内容を正確につかみ取ってもらうためや、被告人・弁護側より真実を訴えるために「公判手続きの更新」を行い、公正・公平な審理を求めてきました。
しかし、この「手続き」に、公判期日(裁判の回数)を2~3回使うために、裁判の長期化につながることになります。
まして、第1回公判(2003年2月25日)から3年を経過した現在までに、6名の裁判官(2名の裁判長を含む)が交替するという異常な状況であり、4回目の「公判手続きの更新」を行うことで、最低8回の公判を使ったため、結果的に長期の裁判となりました。
今年2月、「えん罪・JR浦和電車区事件を支援する会」は、『度重なる裁判官の交替では、公平・公正な裁判ができない』という判断のもと、最高裁判所人事局や東京地方裁判所長に対し、今後は、裁判官の交替をしないようにとの「要請書」を提出したばかりでした。
すでに、これまでの公判で7名の無実は明確になっているにもかかわらず裁判が続けられていることや、事件とされた「強要罪」とは、最長で「3年以下の懲役」ですが、初公判から3年1ヶ月が経過するという長期にわたる裁判になっていることに大きな疑問が残ります。この「えん罪・JR浦和電車区事件」は、JR東労組の組織破壊を狙って、公安警察・検察に仕掛けられたことがはっきりとしています。裁判の長期化(=裁判官の異常ともいえる交替に伴う更新手続きによって)にもその意図が現れているといっても過言ではありません。
すでに最終局面に入っている「えん罪・JR浦和電車区事件」は、現在の裁判官体制で結審・判決が出されることが予想されます。
現在は、今秋の異動が予想されている左陪席裁判官(裁判長の左手側)に対する補充裁判官が加わり4名の裁判官体制となっていることからも、次回交替があっても「公判手続きの更新」を行わないような体制になりました。
このことは、裁判所側において、これまで私たちが指摘してきた「裁判官のたび重なる交替=裁判の長期化」に対し、一定の理解が得られたものだといえます。

録音テープにより無実が確実に!

 午前10時の開廷から、Y君が当時の職場集会の模様、そして、脱退届を提出した様子を隠し録りしていた録音テープの再生が行われ、当時の状況が明らかにされました。
これまでも「公判手続きの更新」のたびに、このテープは再生され、法廷内で流されましたが、聴くたびに7名の無実が明確になるものでした。
職場集会の録音では、国鉄改革を批判したY君に対して、国鉄改革を経験し、大変な苦労をした先輩から、取り組みの意義や仲間の大切さについて理解を求めるよう話しかけたり、Y君の同期組合員が涙ながらに反省を求めていた場面がありました。
また、Y君が脱退届を提出した場面の録音からも、Y君が終始落ち着いて対応している様や、役員に対して質問を繰り返していること、堂々と自己主張をしている様子などは見て取れるものの、脅迫・強要の存在は聞き取れませんでした。
職場集会や脱退届提出の場面でも、Y君の証言・検察官の主張にあるような、「怒鳴ったり、複数で取り囲んで罵声を浴びせたり、人格を否定するような発言」など一切なかったことが証拠によって明らかになりました。
犯罪行為を立証しようとして検察側が提出した証拠によって、逆に7名の無実が証明されました。

 午後には、これまでの公判で行われた検察側証人尋問でのY君、当時の浦和電車区長・副区長、そして弁護側証人尋問、すでに終了している被告人質問の供述について、裁判所側より要旨が述べられました。

当時の状況を真摯に訴えます!

 これまでもお伝えしてきましたように、裁判官は、直接目の前で行った証人尋問や被告人質問での表情・態度によって真偽を判断することが原則(=直接主義)です。新裁判官が行う、これまでの公判内容の把握は書面のみで判断するために、不十分になることは否めません。
今後行う、被告人意見陳述と弁護側意見陳述によって、事件の真実を訴え、事件など存在しないことを新裁判官を含め、すべての裁判官に訴えていくことになります。
労働組合の存在価値や、国鉄改革の取り組み、職場での組合活動などについて、基本的なJR東労組の運動を理解してもらうために、様々な角度から訴えていきます。
7名の完全無罪に向け、最終局面となっている中、真実と正義に支えられながら全力で取り組んでいきます。

これからも皆さんのご協力とご支援をお願いします。

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