反弾圧のたたかい

第33回公判報告

大澗さんに対する弁護側主質問が行われる!

 6月8日、10時より「JR浦和電車区事件」第33回公判が行われました。
今回の公判は、前回に残っていた山田さんに対する弁護側の最終質問が30分程度行われ、その後、大澗さんに対する弁護側主質問が行われました。

 冒頭、証拠文書に対する取り扱いについて議論がありました。検察官が交代した4月から提出している「証拠文書」が38件にものぼっていること、また五月雨式に証拠文書を提出することに対して、弁護側から「検察側立証は終了しているにもかかわらず、五月雨式のあらたな証拠の提出は裁判の引き延ばしともいえるので、裁判所の適切な処置をお願いする」と意見を述べました。
また、平成15年1月に提出された「証拠」と同様のものが平成17年5月に提出されていることに関して、裁判長から「なぜ同じ証拠が提出されているのか」と質問があり、検察官は「それは・・・正直、見落としていました」という証拠提出のいい加減さが露呈しました。

 被告人質問に立った大澗さんは、Y君と話をしたときの想いを明らかにし、決して検察側がいうような「脱退・退職の強要」などなかったことを証言しました。
検察側の冒頭陳述書では、大澗さんとY君との会話の一部分だけが切り取られ、いかにも脅迫したかのように描かれていますが、全体的な話しの流れや、大澗さんのY君に対する想いを含め、総体的に見れば脅迫行為など一切ないのです。
また、大澗さんは転勤直後のY君に対する感想として、「これまで転勤してきた他の見習いとは雰囲気が違っていた」と述べるとともに、就職当初は組合嫌いだった自分をY君へ投影しつつ話しをし、労働組合の存在価値を理解し、浦和電車区の仲間と早く打ち解けるように働きかけを行ったことと、JR社員として、人間として反省することを求めたことを明らかにしました。

弁護側主質問の特徴点は次のとおりです。

Y君への話しかけは、JR東労組の意義を理解してもらい、がんばってもらうためだった!

弁護士 → 大澗さんは、国鉄就職当時、労働組合の活動に関心もなく、拒絶していたようだが、その考えが変わったことをY君に訴えようとしたのか。
大 澗 → 自分の若いときと同じように感じ、労働組合の役割や実績、国鉄改革を理解してもらおうとした。
弁護士 → Y君を東労組から脱退させようとしたり、JR東日本から退職させるという目的はあったのか。
大 澗 → 全く逆である。Y君に考えをあらためてもらい、東労組で頑張ってもらいたかったということである。

労働組合や仲間の大切さを教えてくれたのは、職場の先輩だった!

弁護士 → 拒絶していた労働組合の運動に関わるようになったのは、どのようなきっかけがあったのか。
大 澗 → 機関助士見習をしていたときの教導の方に、仕事と同時に、労働組合の必要性や大切さ、職場の仲間との団結の必要性を学んだ。

自分が経験してきた国鉄改革の意義を理解してほしかった!

弁護士 → 国鉄改革では、どのようなこと経験したか。
大 澗 → 自分は、自動車工場に出向し、組み立てラインで働いた。高血圧の持病もあり、腱鞘炎にもなり、体重も10キロ以上減った。
他の組合員は、国鉄部内で、コーヒーショップなどの直営売店や切符の宅配などを行ってきた。
また、広域異動といって、北海道・東北地方から東京地区に転勤するなど、並大抵の苦労ではなかった。
弁護士 → この頃は役員をしていたようだが、どのようなことに関心があったのか。
大 澗 → 雇用不安のない会社をつくることと、国鉄改革の苦労を若い組合員に伝え、労働組合の活動にも関心を持ってもらおうと考えていた。

Y君の転勤当初からあたたかく声かけをしてきた!

弁護士 → Y君が転勤してきたとき、言動その他をどのように感じたか。
大 澗 → Y君は同期の人の輪に自分から入っていかないような感じだった。
弁護士 → そのようなY君にどのように接したか。
大 澗 → 早く職場になじんでもらえるように、いろいろな場所で声をかけた。
ロッカーも近かったので、「大変だろう」「慣れてきたかい」などと声をかけたが、Y君はほとんど無視しているような態度だった。

検察官の冒頭陳述書では、言葉だけを取り上げ、事件を仕立て上げようとしている事実が浮き彫りに!

弁護士 → Y君と大澗さん八ッ田さんで話をした時、「俺は革マルだぞ」と(脅したと検察官の冒頭陳述書にあるが)発言したのか。
大 澗 → Y君がうそをついていた原因のひとつに、Oから脅かされていたといっていたため、Oに対して非常に怯えているY君を落ち着かせようとし、JR東労組は対立する組合などから「革マル派」といわれる程、結束力があり、組合員を守ることができるという意味で、「俺たちは革マル派といわれている」という話を八ツ田君がした。
弁護士 → JR東労組は、革マル派の影響を受けている団体なのか。
大 澗 → そのようなことは一切ない。

検察官の異議も認められない状況!

弁護士 → 話をしている中で、Y君はおびえていたと思うか。
検察官 → 異議あり。心情を聞いても仕方がないのではないか。
裁判官 → いいんじゃないですか。検察官のほうがもっとありますよ。
これを制止するなら、検察官の方には、もっと介入しなければならなくなる。
それでも、異議を申し立てるなら裁判所も判断しますが・・・。
検察官 → わかりました。

本来ならば裁判長は、弁護士・検察官を問わず、異議が申し立てられるとその異議について「却下する、認める」の判断をしますが、今回の検察官の異議については前段で却下される事態となりました。これは、これまでの公判報告でお知らせしてきたとおり、裁判所にとっても検察側の異常な反対質問が多いという判断にたち、正当な審議を行ったからに他なりません。異常な質問を繰り返す検察側は、まさに手詰まりの状況であり、仕立て上げようとしていたストーリーが真実によって簡単に崩れていることに対する焦りの表れだといえます。

 これまで行われてきた被告人質問によって、検察側の恣意的な状況が明らかになり、「事件」は仕立て上げられたものであることも明確になってきました。真実をもって完全無罪の道を確実にするために頑張っていきます。

これからもご支援をよろしくお願いいたします。

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