反弾圧のたたかい

第27回公判報告

 12月22日、「JR浦和電車区事件」第27回公判が東京地方裁判所104号法廷で開催されました。
 今回の公判は、第24回公判からはじまった7名の被告に対する被告人質問が行われ、梁次さんが証言台に立ちました。
 弁護側質問はこれまでと同じく、真実・事実に基づいて行われ、「事件」当時の梁次さんの活動状況を含め、検察側立証との食い違いを明確にしてきました。

 一方検察側は、これまでと同じように「JR東労組は異常な団体」であり、「地本ー支部ー分会で一体となりYを追いつめた」と創り上げようとしました。検察官は、検察側の思惑が通らないと見るや、質問の声を荒げるなど感情的になる場面もあり、傍聴者からは失笑を買うことも度々ありました。さらに、これらの状況を見ていた裁判長からも「質問変えるように」と再三注意も受けました。

 これらのことからも、これまでの検察側立証の矛盾点が明白になっています。7人の無罪が公判の度に確信できます。

弁護側質問の要旨は次のとおりです。

当時は地本結成に伴い、取り組みが忙しく浦和電車区の問題に関わっていなかった状況を証明!

弁護士 → 当時、梁次さんの組合の役職である「地本執行副委員長と組織研修部長を兼務」とあるが、どのようなことを取り組んでいたのか。
梁 次 → 地本の結成が2000年12月であり、それに伴う支部の結成や、部会・分科会・青年部の結成に向けて忙しく取り組んでいた。
弁護士 → 組織の整備が大きな取り組みの中心であったと分かるが、その他で大きな問題などはあったか。
梁 次 → 2000年12月に新製車両Eー231系の列車分離事故が2回発生し、また、運賃の誤表示がありそれに伴う対応のため過酷な超過勤務によって一人の管理者が肺炎になるなど重要な事案があったので、その対応に追われていた。

アドバイスは出身職場の先輩として対応。 内容は「慎重に、冷静に」という事実を証言!

弁護士 → 今回の問題で、アドバイスを求められたことはあるか。
梁 次 → あるが、出身職場なので地本としてではなく、職場の先輩としてアドバイスを行っただけである。
弁護士 → Y問題を初めて聞いたのはいつか。
梁 次 → 2000年12月30日に妻の実家の沖縄で電話を受け、聞いた。
弁護士 → 地本での打ち合わせなどで「Y君の問題」など論議はしたのか。
梁 次 → 事象については報告を受けたが、論議はしていない。
弁護士 → 2001年1月5日の集会はどのような状況だったか。
梁 次 → 雰囲気は整然としていて、Y君もいろいろな話を平然としていた。
弁護士 → 1月21日にはどのようなアドバイスをしたのか。
梁 次 → 1つにはグリーンユニオン幹部の秋山との関係をきちんと解明することと、二つ目にはY君の嘘によって感情的になっているが、情勢を踏まえて慎重に冷静に対応しようとアドバイスした。
弁護士 → 分会として個別総対話を取り組んでいたが、梁次さんは関係していたのか。
梁 次 → 分会独自の取り組みなので、関わってはいない。

Y君に最後に期待を込めて質問したが、受け入れられなかった事実を明らかに!

弁護士 → 2月28日にY君から「(組合からの)脱退届」を受け取ったが、予定していたのか。
梁 次 → (組合の専従役員なので)浦和電車区に「源泉徴収票」を取りに行ったときに話を聞き、ついでに参加しただけである。
弁護士 → その時、Y君に「何か言いたいことはありますか」と尋ねたが、どのような主旨か。
梁 次 → (脱退が)自分の意思であることを確認することと、Y君からもう一度反省や謝罪があれば(脱退届の)一時預かりということも考えて、期待を込めて尋ねた。
弁護士 → Y君が退職したという話はいつ聞いたのか。
梁 次 → 8月以降だと思う。

 このような事柄や、検察側から提出されている梁次さんに関わる証拠品についてその内容や意味などについて供述してきました。
また、今回の「事件」では「主犯格」とされているにも関わらず、Y君との面識は3回程度しかないことも明らかになり、まさに「主犯格」に仕立て上げられた事件であることも浮き彫りになりました。

その後、検察側からの反対質問が行われました。

検察側の反対質問の要旨は以下のとおりです。

思い通りにならないと感情的になる検察官

検察官 → 潜在組合員は、制裁の対象になるのか。どの項目に抵触するのか。
梁 次 → わからない。
検察官 → 脱退届を受け取ったときに制裁の項目について説明しているのに、わからないではすまないのではないか!

「問題ある組合員はやめさせる体質」と描こうとする検察官

検察官 → JR東労組の組合員が東労組を批判したら組織破壊なのか。
梁 次 → 批判は自由であるので組織破壊とはならない。
検察官 → 組合員が問題を起こした場合、「組合員としてふさわしくないからやめろ」とはならないのか。
梁 次 → 理解をしてもらうためにねばり強く説得する。組合員に対して「ふさわしくない」などとは考えない。
検察官 → それでもだめだったらどうするのか。
梁 次 → ねばり強く説得する。
検察官 → それでも駄目な場合は。
梁 次 → ねばり強く説得します。

転勤者についても組織的な対応があったと仕立てようとする検察官

検察官 → 転勤する者を転勤先まで送っていくという風潮があるようだが、組合としての引き継ぎの様なものはあるのか。
梁 次 → ない。
検察官 → 当時の東京地本内で問題があったYを浦和に転勤させるのに連絡や引き継ぎはないのか。
梁 次 → ない。

公安の仕立て上げたシナリオに沿って、恣意的な質問を繰り返す検察官

検察官 → 2000年12月27日に事態について説明があったのではないか。
梁 次 → 話を聞いたのは30日の夜である。
検察官 → 27日に山田から説明は受けていないのか。
梁 次 → 受けていない。
検察官 → 27日にYが「ハガキ行動」を拒否したことの説明を受けていないのか。
梁 次 → 知らない。
検察官 → 異議がある。本人は12月30日に話を聞いたといっているのに、27日の段階の話を聞くのはおかしい。
検察官 → 程度問題もあるので質問を変えて下さい。

 以上のように、検察官の質問は時には感情的になったり、同じ質問を繰り返したりと、検察側立証と真実との食い違いが明確になると混乱している様子が窺えました。
まさにこの「事件」が、仕立て上げられたものであることを検察官自らが証明しているようでした。
梁次さんに対する検察側質問も8時間必要としていますが、Y君との面識は3回しかない梁次さんにかける時間としては異常だといえます。
これは、被告人質問の受け答えの中で「あげあしを取る」方法によってしか検察側の構想へ近づけることができないということの表れだといえます。

 私たちは、これからも真実を述べることで完全無罪=仕立て上げられた事件であることを証明していきます。

これからもご支援をよろしくお願いいたします。

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