反弾圧のたたかい

第20回公判報告

 6月7日、第20回公判が開催され、Y君の前職場の役員であったS氏に対する弁護側の主尋問が行われました。
 S証人は、Y君が在籍していた当時、JR東労組東京車掌区分会の書記長という立場にあり、Y君の性格や組合に対する意識状況など、人物像について証言しました。
 また、Y君らと共にキャンプに参加したO氏(検察側証人)の人間像や当時の話し合いの内容などについて、事実に基づき淡々と証言しました。
 さらに、「個人的なキャンプを問題にし、Y君を脅迫し脱退・退職させた」という検察側の立証趣旨に対して、JR東労組への介入を目指すグリーンユニオンの組織戦略が背景にあったことについても述べられました。
 この証言によって、7名を含めた浦和電車区分会の取り組みが組合組織を守るための取り組みであり、正当な組合活動であったことがさらに明らかになりました。
 主尋問の特徴点は以下のとおりです。(要約)

JR総連とJR連合の取り組みの違いが明らかに!

□JR連合の主張=「国家の最大の福祉は国防である」!?

弁 護 士 → JR連合の方針に対してどのように感じているか。
証 人 → JR西日本やJR東海の職場では、JR連合傘下の組合が多数派であるが、会社からの異常な労務政策に対して、組合員の利益を守らない現実がある。他方、JR総連は職場の組合員の利益を守る取り組みを基本に平和を求める取り組みも重要だとしているが、JR連合は「国家の最大の福祉は国防である」と機関紙で主張し、戦争を推進する立場である。私たちには理解できない。

Y君は前職場でも脱退発言を繰り返していた!

弁護士 → Y君は東労組の取り組み、平和活動への参加はあったか。
証 人 → 労働組合の重要性などについては話をしてきたが、「自分には関係がない。興味がない」と言い、ほとんど参加はしなかった。平和の取り組みについても「労働組合が平和の取り組みをやるべきではない」として拒否していた。

弁 護 士 → JR東労組の一体感を高めるための「団結署名」の取り組みはどうであったか。
証 人 → 取り組みの趣旨について8~9回話をして理解を求めたが、「自分は組合から給料をもらっているわけではない。強制されるなら脱退します」と2回くらい発言していた。最終的には記入したが、納得して書いたものではない。

弁護士 → Y君がJR東労組へ加入している理由は何か。
証 人 → (Y君が)「自分は常に多数派の組合に入る」と言っていた。

弁護士 → Y君が浦和電車区へ転勤の際に、何か助言はしたか。
証 人 → 簡単に「組合を辞める」などと言わない、自分の主張だけを押し通さない、と助言したが、Y君は「いろいろ言われたら、(手錠をかけられる仕草をして)こうなっても闘います」と言っていた。助言を理解してくれたとは思ってない。

O証言は事実と違っていた?

□ O証言の矛盾が明らかに!

弁護士 → 東京車掌区分会の「団結署名」をO氏はしていないと証言しているがどうか。
証 人 → O氏も取り組んだ。

弁護士 → O氏は役員との事実確認の話し合いは、「つるし上げだった」と証言しているが、どうか。
証 人 → 話し合いの中は普段と変わりなく落ち着いた状況であった。開き直ることも度々あった。酒の話の時はお互いに笑いあっていた。

弁護士 → O氏に対する認識はどうか?
証 人 → グリーンユニオン結成時(JR東労組から分裂)の数日前に、グリーンユニオン幹部A氏を含めて大船駅付近で酒を飲んでいた事実や、A氏の主張に同調していた事実もあり、グリーンユニオンへ加入する人だと感じていた。

弁護士 → これまで嘘をついていたO氏は、何故嘘を告白したのか。
証 人 → これまでの話では飲酒運転を認めなければならず、会社内での立場を考え、本当のことを言わざるを得なくなったと感じた。

弁護士 → O氏の人物像はどうか。
証 人 → 若い人からは「すぐ切れる怖い人」と言われていた。

 このように、検察側証人の証言に矛盾があることが明らかになってきました。また、検察側の立証趣旨も弁護側証人によって崩れました。
真実と無罪は私たちの手にあることをさらに確信することができました。
今後も、皆様からのご支援をお願いします。

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