JR東労組 | 東日本旅客鉄道労働組合 EAST JAPAN RAILWAY WORKER'S UNION

駅社員への暴力事件を許すな!~安心して働ける営業職場を創ろう!《武蔵境駅分会》

人命に関わる重傷を負う暴力事件が発生!

 2010年1月10日4時20分頃、武蔵境駅南口改札で勤務していたグリーンスタッフ組合員が暴力を受ける事件が発生しました。組合員は20代男性から「具合の悪い人がいる」という申告を受けて駆けつけ、改札脇にうずくまっている人の様子を確認しました。呼びに来た男性が組合員の氏名札を見ると「違う!違う!○○じゃない、まあいいか」と駅社員の名前を言い、背後からいきなり殴り、ひざで顎を蹴り上げて重傷(頸椎捻挫、全治1ヶ月)を負わせたもので、計画的かつ悪質なものです。
 武蔵境駅分会は、この暴力事件を社員の命に関わる重大な問題として捉え、暴力を絶対に許さず、安心して働ける環境を創るために地本と連携して申7号「安全な営業職場を確立する」緊急申し入れを行い会社に対策を求めてきました。

「怒!社員の命をなんだと思っているのだ!」

 団体交渉では、暴力事件に対する会社の認識について見解と対策を求めました。支社は「暴力事件は絶対に許してはならない」「毅然とした対応で臨んでいく」と回答しましたが、「いたずらに社員への不安をあおる」として営業職場で働く全社員へ周知を行わなかったことや、事件発生から4日後に現場長会議で周知したことが明らかになりました。また、立川地区指導センターは「暴力事件は日常茶飯事にあること」という認識であることなども判明しました。
 地本は、会社が組合員の人命に関わる重大事件と受け止めていないこと、組合員の命を守る立場に立っていないことを厳しく指摘し、今回の対応の課題と反省に立ち、組合員が安全に安心して働くために職場の組合員が作成した具体策を参考に対策を講じることを確認しました。

早朝、深夜帯の旅客対応は一人で行わない!

 分会は、暴力事件が発生したのは改札での早朝一人勤務時間帯であること、数日前に不正した乗客を注意したことを恨んでの犯行ではないか、ということから、早朝時間帯の一人作業を行わない作業ダイヤを暫定的対策として作成しました。そして、団体交渉でも分会の意見を反映させるよう求め、①ガードマンを初電から配置する②シャッター開け作業ダイヤを変更する③旅客の申告や緊急時等対応は、極力一人で行わないよう徹底することを確認しました。また、ハード対策として、より警報音の強い防犯ブザーや各駅改札に配置してある警察直通通報ブザーの増設などと合わせて警察に巡回強化を依頼することを確認しました。

団体交渉の内容を職場集会で周知

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安全に働ける職場を創るためにみんなで議論

 分会は、2月17日に職場集会を開催し、事件の経過や団体交渉の内容、会社と確認した事項を報告し、組合員と議論しました。組合員からは、「シャッター開け体制は2名になったが、不安のまま仕事をしている」「事件を知らせる看板などを設置して地域に駅員の現実を知ってほしい」などの意見や防犯カメラ、無線機の設置増、防護服の貸与など様々な要求も出されました。
 この職場集会を通じて、組合員の多くが不安を抱えて仕事をしていることが解りました。まだまだ安心して働ける職場とはなっておらず課題も多くありますが、職場集会を通じて組合員の暴力に対する危機意識を高められたことや職場の問題点などの声が出されたことは大きな成果です。

私たちは「命を奪われてまで仕事はしない!」

 今回の暴行事件は、一歩間違えば命をも奪われかねない計画的で悪質な事件であり、一刻も早く犯人を検挙しなくてはなりません。そのために会社は組合員の立場に立って「告訴」を含めて毅然とした対応を取ることが求められます。しかし、日々の暴力事件の対応は病院に連れていかずに判断し、示談での解決を進める風土があります。
 2001年には、八王子みなみ野駅においてシャッターを開けた社員が強盗に包丁で腹部を刺された強盗殺人未遂事件や、2002年に竜王駅でも改札を不正に通り抜けようとした酔客を注意した社員が暴力を受けるなど、その都度議論し対策や「トラブルハンドブック」に則った対応を職場で徹底しています。しかし、時間とともに風化しているのも事実です。組合員の命が奪われてからでは取り返しがつきません。労働組合として仲間の命を守るために、暴力を絶対に許さず、営業職場の安全はどうあるべきか職場から議論を巻き起こさなければなりません。
 組合員への暴力事件は、輸送混乱時のトラブルや景気の低迷、格差社会など社会不安が大きな要因です。私たちは、こうした原因を根絶するためにも、職場での議論を深めて輸送混乱時の対策を講じると共に、社会を変革する労働者の代表者である「たしろ かおる」を国政に送り出すために全組合員で取り組んでいきます。

 
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