JR東労組 | 東日本旅客鉄道労働組合 EAST JAPAN RAILWAY WORKER'S UNION

第328回 前文科省事務次官 前川 喜平氏

憲法と教育

今回の政経フォーラムは、前文科省事務次官 前川 喜平氏をお招きし「憲法と教育」と題して講演をいただきました。

 文科省が、学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大の獣医学部新設を認可したという報道直後の講演であったため、前川氏は同獣医学部の国家戦略特区指定についての問題に触れ、「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進」という基本方針が獣医学部の新設とは主旨が異なることを指摘し、獣医学部は志願倍率も高く定員割れしないため、特権の付与に他ならないと断言しました。 

「憲法と教育」については、子どもには憲法第26条で「教育を受ける権利」と「学習権」が保障されており、国と保護者は子どもが普通教育を受けるための条件を整える義務があるのであり、子どもが学校にいく義務があるわけではないことを強調しました。また、社会権として、国に対して教育の機会をつくることを求める一つとして、夜間中学を増やすべきだと述べました。

さらに、道徳教育のあり方について、「必要かつ相当と認められる道徳教育の範囲は何かを考えれば、憲法で認められた範囲となる。すなわち、個人の尊厳、立憲主義、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権といった憲法的価値を次の世代に伝えていくことが公教育の任務である」と述べ、現実には、憲法が求めている価値を大きくはみ出て、様々なことを学習指導要領が求めていること、いま一度、憲法に立ち返った教育を考えなければいけないと強く訴えました。

 詳細は「セミナー」に掲載します。

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